創刊号に寄せて
1. 「貼り人通信」創刊について、第一印象はいかがでしょうか?
非常に素晴らしい取り組みだと感じます。
職人の仕事は“見えないところで誰かの暮らしを支える仕事”です。
そこにスポットを当て、実際の声や現場の知恵を共有する媒体が増えることは、業界の発展にも大きく寄与します。
120周年という節目にこうした新しい挑戦をされるホシケンさんの姿勢にも大きな敬意を抱きました。
2. 職人向けの情報誌が増えることについて、どのように感じていますか?
情報が整理され、安心して受け取れる“業界の声”が増えることは大変ありがたいです。
ネット情報が溢れる中、正しい知識や生きた経験を学べる媒体として期待しています。
3. 今、職人さんが“知りたいこと”は何だと思われますか?
「最新情報」と「実務で本当に役立つ知識」ですかね。
工法・材料・安全管理など、変化が速い時代なので“今の現場に合うリアルな情報”への需要は高いと感じています。
でも、やっぱり一番は「自分の未来」ではないでしょうか。
技術的な情報はもちろんですが、「この仕事で食っていけるのか?」「どう成長していけばいいのか?または成長できるのか?」ここに対する安心感こそ、職人が本当に求めているものかと思います。
不安の多い時代だからこそ“未来が見える情報”と“信頼できる、現場のリアルな声”を求めていると思います。
群装協について
4. 群装協の役割をシンプルに言うと、どんな団体でしょうか?
防炎ラベル、防火壁装ラベルの発給業務を行っているのはもちろんですが、職人が“技術・情報・仲間”を得られる、業界のプラットフォームですかね。
困ったときに相談できて、学びたいときは学べて、仲間ができる場所。
内装に携わる人達にとって“安心できる拠点”的な役割を目指しています。
5. 群装協に長く関わる中で、特に大切にされている理念は?
「仲間の力で業界を良くする」という精神です。1人では何も出来ないですからね。
競争より共創。互いを支えあい、高め合うことが協同組合の原点だと考えています。
6. 群装協がこれまで力を入れてこられた取り組みは何ですか?
技能検定支援、講習会、DX推進、情報共有の仕組みづくり、そして地域への社会貢献活動などです。
特に近年は、若手育成とデジタル化に大きく注力してきました。
7. 組合員の皆さまに特に喜ばれている活動を教えてください。
講習会、勉強会、技能検定のサポートですかね。
あと、毎年開催されているボウリング大会、夏の交流会、ゴルフコンペなども人気です。
毎年ではないですが、研修旅行も何回か行っています。
こちらも“参加して良かった”との声をいただいております。
8. 群装協に入って良かった、と言われる場面はどんな時ですか?
今まで“組合”というところにあまり好感的な印象を持っていなかった、または加入の必要性を感じていなかった方たちが、ご自身の現場で防火壁装ラベルを貼らなければならなくなり、必要に迫られ入会したのち、講習会や研修旅行に参加された際に
- “組合って思っていたイメージと全然違う”
- “こんなに楽しいならもっと早く入っておけば良かった”
と言われることが多いです。
“新しい仲間が増えた”“孤独じゃなくなった”
組合の存在価値は、こういう一言に凝縮されていると思うんです。
年会費はかかります。
でも、年会費を払っているだけで何ひとつ参加しないのであれば確かにメリットは感じられないと思います。
要は、年会費の元を取るつもりで参加してくれれば必ずメリットを感じていただけます。組合員は無料の講習会もたくさんあるのですから。
業界の変化と現場のリアル
9. 内装業界で、ここ10年で最も大きく変わったと思う点は?
内装に限ってではないですが、材料と工法の多様化、そして現場管理のデジタル化です。
昔よりも「知識」と「判断力」が求められる時代になったと感じます。
10. 工法や道具の進化のスピードについてどう感じますか?
とても速いと思います。
ただし、どんなに良い道具や工法を用いても、最後の仕上がりを決めるのは“職人の手”。
だからこそ“基礎技術の重要性”がより高まっていると感じます。
11. 技術的に“今後さらに広がる”と見ている分野はありますか?
技術的にですか、、、私はもともと化粧シートとガラスフィルムが専門なので、その分野でお伝えすると、十数年前からカーラッピング施工をするようになり、自動車と建築では施工方法が違うのですが、ラッピングの技法を建築のシート施工に取り入れたら劇的に納まりが良くなった事例があります。
どの分野でも、ちょっとした工夫でまだまだ広がる可能性はあるのだと思います。
12. 最近の材料や糊・副資材で感じている傾向は?
昔と比べて全体的に大分値段が上がったなぁというのが真っ先に思い浮かぶ率直な意見です。
一方で、品質や性能も向上しているとも感じます。
施工難易度が上がっている材料もありますから、より丁寧な施工と、その材料や副資材に使われている原材料の特性などについても理解や知識を深めていかなければならないと感じています。
13. 職人さんの作業環境で改善したい点は何でしょうか?
- 負担軽減
- 安全対策の強化
- 作業に適した室温管理
- 無理のない工期
ですかね。
14. 現場でよく耳にする“困りごと”はありますか?
やはり、「短すぎる工期」や「急な仕様変更」に伴う人手不足と段取りに取られる余計な手間ですかね。
人材・若手育成について
15. 若手職人の育成について、課題は何だと思われますか?
“教える人の不足”と“現場で学ぶ時間の減少”だと思います。
工期が短いうえに、施工単価も上がらなければ、親方もゆっくり教えてられないですもんね。
だからこそ組合が教育の仕組みを作る必要性を強く感じています。
16. 若い職人に身につけてほしい“現場での姿勢”は?
- 挨拶
- 素直さ
- 報連相
- 基礎動作の丁寧さ
技術以前に「信頼される振る舞い」が職人として第一歩です。
“継続”そして“やりきる覚悟”も大事ですね。
これさえあれば、技術は必ずあとからついてきます。
17. 技術講習や勉強会の必要性をどのように感じていますか?
今の時代は必須です。
現場だけでは学べないことが増えています。
「失敗して覚えた時代」を否定するつもりはありませんが、
“体系的に効率よく、正しく学べる環境”のほうが若手は伸びると感じています。
18. ベテラン職人が若手に伝えてほしいこととは?
「自分も通ってきた道だから、焦らず一歩ずつで良い」
というメッセージですね。
誰しも最初から上手くないわけですから、たくさん失敗した人ほど成長しますよ。
19. “職人の未来”をどう見ておられますか?
私は明るいと確信しています。
なぜなら、職人の技術は絶対に機械に代わりません。
むしろこれから“手仕事の価値が再評価される時代”が来ると思っています。
組合としての取り組み・展望
20. これから群装協として力を入れたい取り組みは?
- 若手育成
- 技能検定支援
- 新しい教育体系の整備
- DX化による業務効率化
です。
21. 特に強化したい教育・講習のテーマはありますか?
- 壁・床・ボードの基礎技能
- 安全
- 品質管理
- マナー
- コミュニケーション能力
“質の高い内装職人を育てる”こと。
22. 官公庁や異業種との連携について期待していることは?
個人的な意見ですが、公共工事は入札において値段ありきな部分があるため、品質確保の観点から言うと多少“???”を感じます。
技能士の社会的地位、経済的地位向上のためにも連携は重要だと思います。
異業種との交流からは新しい発想や働き方が生まれると期待しています。
23. 技能士資格や研修機会についての考えをお聞かせください。
技能士資格は“信頼の証”であり、“職人の名刺”となります。
技術の証明であり、誇りであり、少し大袈裟かもしれませんが、道を切り開く武器にもなります。
もっと積極的に挑戦していただきたいです。組合は挑戦する人を全力でサポートします。
職人・組合員へのメッセージ
24. 今、職人さんに最も伝えたいことは何でしょうか?
我々の仕事は人々の暮らしには欠かせない、素晴らしい職業だと思います。
「あなたの技術が地域を、そして誰かの生活を支えています」その誇りを胸に、これからも共に業界を良くしていきたいです。
25. これからの現場で求められる“新しい強み”は何だと思いますか?
専門知識・技能に加えて、
- コミュニケーション能力
- 段取り力
- 安全意識(防災・防炎・防犯含む)
辺りですかね。
資格を持っていることも強みですし、仲間がいることも強みになります。
26. 職人として長く働くために必要なこととは?
まず無理をしないで身体を大切にすること、継続的に学ぶこと、そして仲間とつながること。
27. 群装協として、職人さんをどんな形で支えていきたいですか?
技術・情報・つながりの3つの側面から支えたいです。
“困ったら群装協に相談できる”という安心を提供し続けたいと思います。
フリーペーパーとの関わり
28. 「貼り人通信」へ期待していることをお聞かせください。
職人さんの励みになる情報、そして若い方が「この業界で働きたい」と思えるような魅力発信を期待しています。
29. 今後、職人目線で“取り上げてほしいテーマ”は何でしょうか?
若手職人のリアルな声、新しい工法や材料の深掘り、安全と健康、ベテラン職人の知恵
“読んだ翌日から使える内容”をぜひお願いします。職人の未来につながるテーマをどんどん発信していただきたいです。
30. 最後に、読者の職人の皆さんへメッセージをお願いします。
皆さん。毎日の現場、本当にお疲れさまです。
あなたが仕上げたその壁、一面の床、そのカーテン。
それを使う人はあなたの名前を知らないかもしれない。
しかしあなたの技術と情熱は、確実にその人の生活を支えています。
これからも共に誇りある仕事を続けて業界を盛り上げていきましょう。